25 3月

「愛の技術=愛の実践」

エーリッヒ・ゼーリヒマン・フロムは、ドイツの社会心理学・精神分析・哲学の研究者である。
日本語訳で「愛するということ」という彼の著書がある。その中で「愛することは技術である」と書いている。
この「「技術」をどのように解釈できるのか。観みることのできない心と心の交差するところに愛が誕生するとは抽象的すぎる。
現場的な視点から愛をとらえ直して再構築するならば、「技術」とは、「実践」であると解釈する。
「個」と「個」の狭間だけではなく、民族と民族の狭間においても、宗教と宗教の狭間ににおいても、「敵意の中垣」を取り除く具体的な技術=実践が必要不可欠である。
普遍的愛の技術=実践が人間の…人類の和解の波紋を広げる一石を投じることになる。隣人が赦せない人間=自分が赦せない人間。
どれだけ物質的にゆたかであっても隣人を赦す=自分を赦す愛に結びつかないとするならば、「愛すことは技術である」。
つまり、「愛することは実践である」が受肉化しない。現実的な敵意の中垣を乗り越えて、平和と和解、そして、普遍的愛を可能にするのは、あなたと私の愛の技術=愛の実践である。